社会の中で生きている以上、コミュニケーション力って大事ですよね。
相手にどう伝えるか。
どうすれば気持ちよく動いてもらえるか。
逆に、自分はなぜ人の言葉に動かされるのか。
Hideicブログでもこれまで、『人を動かす』や『嫌われる勇気』など、人間関係について考えさせられる本を読んできました。
でも今回の本は、ちょっと違いました。
読んでいて何度も、
「待って。俺、これ全部くらってるやん」
と思ったんです。
その本が、ロバート・B・チャルディーニ著
『影響力の武器』。
結論から言います。
これは「人を操るための本」ではありません。
むしろ私にとっては、
自分が知らないうちに操られている瞬間に気づくための本
でした。
そして気づいた。
私は思っていた以上に、
影響されまくっていました。
にんにん。
人はいつも冷静に判断しているわけではない
私たちは普段、
「自分は自分で考えて決めている」
と思っています。
私もそう思っていました。
ところが『影響力の武器』を読むと、その自信が少し崩れます。
人間は、毎回すべての情報をじっくり比較して判断しているわけではありません。
世の中には情報が多すぎる。
商品も多い。
口コミも多い。
選択肢も多い。
全部をゼロから考えていたら、脳がもちません。
だから私たちは、
「みんなが選んでいる」
「専門家が言っている」
「今だけ安い」
「残り3個」
といった情報を、判断の近道として使います。
これ自体は悪いことではありません。
むしろ効率よく生きるために必要です。
問題は、
その近道を他人に利用されることがある
ということです。
「理由」があるだけで、人は動きやすくなる
本の中で特に面白かったのが、人間の自動的な反応についての話です。
何かをお願いするとき、
「これ、やってもらえませんか?」
だけではなく、
「○○なので、やってもらえませんか?」
と理由を添える。
それだけでも、人は受け入れやすくなることがあります。
これを読んだ瞬間、
「あれ?」
と思いました。
職場にいるんですよ。
めちゃくちゃ頼み上手な人。
「○○なので、これお願いできます?」
みたいに、自然に理由をつける。
そして気づけば、
私も手伝っている。
当時は、
「この人、頼み方うまいなあ」
くらいに思っていました。
でも『影響力の武器』を読んだあと、
「もしや、あの人……影響力の武器を装備済みなのでは?」
と疑い始めました。
いや、たぶん普通にコミュニケーションが上手なだけでしょう。
でも、ここで一つ学びました。
私も誰かにお願いするとき、
ただ「お願いします」ではなく、
なぜお願いしたいのかをきちんと伝える。
これは、人を操るためではありません。
相手に判断材料を渡すという意味でも、実践する価値があると思いました。
行列を見ると「うまい店」に見える
私は行列を見ると弱いです。
知らない店でも人が並んでいると、
「ここ、絶対うまいやつやん」
と思ってしまいます。
逆に、店内がガラガラだと、
「大丈夫かな……」
となる。
これが社会的証明。
簡単に言えば、
「みんなが選んでいるなら、たぶん正しい」
と考えやすい心理です。
Amazonや楽天のレビューもそう。
星4.7。
レビュー5,000件。
「ベストセラー1位」。
もう、この時点で少し安心している自分がいます。
商品そのものをまだ何も知らないのに。
お菓子のアソートでも影響されていた
本を読みながら思い出したことがあります。
箱菓子のアソートで、
「好きなの取っていいよ」
と言われたとき。
何種類かある中で、
なぜか残り少ない味を選びたくなる。
「これだけ減ってるってことは、おいしいんじゃない?」
と思うんですよ。
誰もそんなこと言っていないのに。
みんなが取っている。
だから良いものに違いない。
はい。
社会的証明、発動。
スーパーでもあります。
「○○%ポイント還元!」
の文字を見ただけで、
さっきまで買う予定すらなかった商品を手に取っている。
冷静に考えると、
還元される前に、そもそも買わなければ100%節約です。
恐ろしい。
影響力の武器、
そこら中に落ちています。
「残り3個」で急に欲しくなる
そして、私がかなり弱いのが、
希少性。
Amazonや楽天を見ていると、
「残り2点」
「期間限定」
「本日23:59まで」
「今だけ○%OFF」
こんなのが出てきます。
その瞬間、
さっきまで「そのうち買おうかな」だった商品が、
「今買わないと人生最大のチャンスを逃すのでは?」
くらいに見えてくる。
いつ買うの?
今でしょ。
……いやいやいや。
落ち着け俺。
これはまさに、本で語られている希少性の力です。
手に入りにくいものほど、価値が高く感じられる。
しかも「以前は普通に買えたのに、急に手に入りにくくなった」という状況では、さらに欲しくなることがあります。
金など、供給量に限りのある資産が価値を持つ背景にはもっと複雑な要因がありますが、「希少なものに価値を感じる」という人間心理そのものは、確かに興味深いです。
そして私がこれからやりたいのはシンプル。
「残りわずか」を見た瞬間こそ、一回止まる。
割引率を見る前に、
「そもそもこれ必要?」
と考える。
これだけでも、無駄な買い物はかなり減る気がします。
電車で見た光景で、自分が試された
この本で、かなり実生活に役立つと思ったのが、
緊急時に人が動きにくくなる心理
についてでした。
周囲に人がたくさんいると、
「誰かが助けるだろう」
と思ってしまう。
さらに、
みんなが普通にしていると、
「そんなに深刻じゃないのかな」
と判断してしまう。
これは怖い。
なぜなら、
全員が全員の様子を見ているだけ
という状況が起こりうるからです。
本当に助けが必要な場合は、
「誰か助けてください!」
より、
「青い服の方、救急車を呼んでください」
のように、相手を具体的に指名する方が行動につながりやすい。
これは知っておいて損がないと思いました。
そしてその少し後。
電車に乗っていると、座席で横にもたれかかるようにしている人がいました。
「大丈夫かな?」
と思った。
でも周りは誰も動かない。
私も一瞬、
「他の人が動いてないってことは、大丈夫なのかな……」
と思ってしまいました。
いやいや。
俺、
『影響力の武器』読んだばっかりやん。
そう思って、
「だ、大丈夫ですか」
と立とうとしたその瞬間。
近くにいた上品な女性が、
「大丈夫ですか?」
とサッと声をかけました。
動きが速い。
迷いがない。
もはや私の目には、
マザー・テレサ級の救護忍者
に見えました。
結果的には、その方は飲みすぎて少し横になっていただけのようでした。
大事には至らなかった。
でも私は反省しました。
知識として知っていても、
その瞬間に動けなければ意味がない。
「誰かがやるだろう」
という心理を知っていたはずなのに、
自分も周囲の反応を見ていました。
この経験のおかげで、内容がより自分事になりました。
「専門家が言っている」だけで信じていないか
もう一つ怖いのが、
権威。
医師。
教授。
専門家。
有名企業。
肩書きがつくだけで、人は情報を信じやすくなります。
もちろん専門家の知識は重要です。
私も専門知識のある人の意見を参考にします。
でも、
「専門家だから絶対正しい」
とは限らない。
一人の意見だけを聞いて安心するのではなく、
複数の情報を見る。
根拠を見る。
反対意見も見る。
そして最後は自分で考える。
これは健康情報でも、投資でも、仕事でも同じだと思います。
現代は情報が多いからこそ、
「誰が言ったか」だけではなく「なぜそう言えるのか」
まで一歩踏み込みたい。
返報性という、ものすごく人間らしい心理
人から何かしてもらうと、
「何か返さないと悪いな」
と思いますよね。
これが返報性。
これは人間関係を円滑にする素晴らしい仕組みでもあります。
でも同時に、営業やマーケティングにも使われます。
無料サンプル。
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「とりあえず試してください」。
先に何かをもらうと、
なんとなく断りにくくなる。
これも知っているだけで見え方が変わります。
私は今後、
無料だからもらう、
ではなく、
「これを受け取ることで、自分の判断が少し変わらないか?」
と一度考えてみようと思います。
まあ、無料には弱いんですけどね。
修行が必要です。
『影響力の武器』を読んで、私が変えたい3つのこと
読んで終わりだと、忍術書を買って満足しているだけです。
せっかくなので、実生活で3つ実践することにしました。
1つ目。限定・割引を見たら、一度ゼロベースに戻る。
「30%OFFだから買う」ではなく、
定価でも必要なものなのか?
を考える。
「残り1個」でも、
いらないものはいらない。
2つ目。権威をそのまま信じない。
専門家一人の意見で決めず、できるだけ複数の情報を見る。
「有名な人が言っていた」ではなく、
根拠は何か?
まで確認する。
3つ目。人にお願いするときは理由を伝える。
これは悪用するという意味ではありません。
「これやってください」
より、
「○○のために、これをお願いできますか?」
の方が、相手も納得して動きやすい。
これは仕事でも使っていきたいです。
この本は「武器」より「防具」として使いたい
タイトルは、
『影響力の武器』
です。
でも私が読み終えて思ったのは、
この本、
むしろ
『影響力の防具』
としてめちゃくちゃ優秀なんじゃないか、ということです。
私たちは普通に生きているだけで、
広告、
セール、
SNS、
口コミ、
専門家、
ランキング、
周囲の人、
いろいろなものから影響を受けます。
完全に影響されない人になるのは、おそらく無理です。
だって、
それが人間の心理だから。
大事なのは、
「今、自分は影響されているかもしれない」
と気づくこと。
そこで一呼吸置く。
「本当に必要?」
「なぜそう思った?」
「みんなが選んでいるからじゃない?」
「限定だから欲しくなってない?」
と自分に聞く。
たぶん、それでも私はまた買います。
またレビューを見ます。
また「残り2個」に焦ります。
人間だもの。
忍者だけど。
でも、そのたびにこの本を思い出せばいい。
まとめ:影響されない人ではなく、影響に気づける人になる
『影響力の武器』を読む前の私は、
自分なりにちゃんと考えて物事を決めているつもりでした。
でも読んだあと、
買い物。
仕事。
SNS。
行列。
ポイント還元。
口コミ。
緊急時。
いろんな場面で、
「うわ。これも影響されてたのか」
と気づきました。
そして、それがこの本の一番面白いところです。
世界は何も変わっていない。
でも、
自分の見え方が変わる。
個人的には、そういう本が一番好きです。
人間関係を深く知りたい人。
マーケティングや営業に関わる人。
買い物で流されやすい人。
SNSの数字に影響されてしまう人。
そして、
「自分はわりと冷静に判断している方だ」
と思っている人。
そんな人ほど、一度読んでみると面白いと思います。
私はこの本で、少なくとも一つの武器を手に入れました。
いや。
武器というより、
防具。
これからも普通に影響されながら、
そのたびに、
「あ、今くらってるな」
と気づける人でいたいと思います。
Hideic、
忍術MPだけでなく、
防御力も少し上がりました。
それでは、
にんにん。


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