美術なんて詳しくない。でも兵庫県立美術館に行ったら、心がちょっと整った話

体と心のメンテ

どーも、Hideicです。

久しぶりに子どもを見てもらえることになり、妻と2人で出かけることになりました。

せっかくなら、小さい子どもと一緒だとなかなか行きにくい場所へ行きたい。

そこで選んだのが、

兵庫県立美術館。

いや、正直に言います。

夫婦そろって美術知識、ほぼありません。

「好きな画家は?」

と突然聞かれたら、

「……今、探してます」

と答えるレベルです。

でも私は以前、山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』を読んでから、ひそかに美意識を鍛えたいと思っていました。

さらに『Hidden Potential』で安藤忠雄さんの話を読んで、

「あの建築を一回、自分の目で見てみたい」

という欲も発生。

妻に、

「近いし、たまには美術館行ってみない?」

と提案すると、

「まあ、行ってみる?」

くらいの絶妙にニュートラルな反応。

よし。採用。

美意識を鍛える前に、まず胃袋を整える

とはいえ久々の夫婦時間。

ランチで外すわけにはいかない。

謎のプレッシャーを感じながら食べログを開き、見つけたのが洋食SAEKI。

人気店っぽかったので開店10分前に着いたら、すでに数人並んでいました。

みんな早い。

洋食への本気度が違う。

妻はミックスフライ、私はヘレビーフカツ。

シェアして食べましたが、これが大正解。

クリームコロッケ、チキンカツ、ミンチカツ、有頭エビフライ。

洋食界のアベンジャーズ。

ヘレビーフカツも柔らかく、そして予想外だったのがエビの頭。

ザクッ。

パリッ。

口の中、

エビ祭り開催。

美意識を鍛えに来たはずなのに、最初に刺激されたのは完全に味覚でした。

そこから歩いて兵庫県立美術館へ。

「好きな芸術家は?」開始5分で詰む

到着すると、13時からコレクション展の無料ガイドツアーがあることを発見。

聞けばまだ参加できるとのこと。

ついてる。

現在開催中の「ミュージアムのミステリー」とコレクション展のセット券を購入し、まずはミステリー展へ。

この展覧会は「神秘」「不思議」「謎」「怪奇」などを切り口に、兵庫県内の複数のミュージアムのコレクションを横断して楽しめる企画です。古代の埴輪から現代作品まで並ぶので、美術に詳しくなくても「なんだこれ?」から入れるのが面白い。

そうこうしていると13時。

ガイドの方から、

「好きな芸術家はいらっしゃいますか?」

私、

「えーっと……今探しています。」

妻、苦笑い。

Hideic、美術館開始早々に底の浅さ露呈。

ところが、このガイドがめちゃくちゃ良かった。

2026年のコレクション展では、土日13時から30分ほど、ミュージアム・ボランティアによるガイドツアーが開催されています。

絵だけを見ていたら、

「きれいですね」

で通り過ぎていたものが、

背景や作者、構図の見どころを少し教えてもらうだけで、急に立体的に見えてくる。

金山平三の風景画では、雪の重みにしなる枝、湖面、空の微妙な色。

「日本海」では、波の動きと岩の力強さ。

小磯良平の《T嬢の像》では、涼しげな女性だけでなく、カーテンの揺れからその場の空気まで感じられる。現在のコレクション展でも《T嬢の像》など小磯の代表作が紹介されています。

解説されると、

「絵って、見るというより“気づく”ものなのかもしれない」

と思いました。

テンションが上がった私は、

「俺も画家になって妻の肖像画描いたろか!」

と肩を回し始める。

妻、若干引く。

美意識、まだ発展途上。

最後に安藤忠雄で、心まで持っていかれた

そして最後は、お目当てのAndo Gallery。

ここはなんと無料。

安藤忠雄さんの建築模型や資料が展示され、《住吉の長屋》や《光の教会》など、代表作の考え方をかなり深く見ることができます。

住吉の長屋を見ながら、

「現地まで見に行こうかな」

と思っていた私。

いや、ここめっちゃ分かるやん。

模型だからこそ、建物全体の構造まで見える。

光の教会も、

「あの十字架、こういう空間の中にあるのか」

と腑に落ちる。

そして最後。

海を臨むデッキにある、

青りんご。

この作品には、「人も建築も社会も、熟しきらず、挑戦心にあふれた青いままでありたい」という安藤さんの思いが込められています。

これが、妙に刺さりました。

歳を重ねたから完成するんじゃない。

成功したから完成するんじゃない。

まだ青い。

まだ途中。

だから、まだ挑戦できる。

私も、

熟しきった立派な赤りんごにならなくていい。

ずっと、

「まだ伸びるぞ」

って青いままでもいいじゃないか。

そんなことを考えながら、美術館をあとにしました。

美術館って、知識を見せに行く場所じゃなかった

今回一番よかったのは、

美術に詳しくない自分たちでも、普通に楽しめたこと。

分からなければ、

「なんだこれ?」

でいい。

気になるものが一つ見つかればいい。

ガイドに教えてもらえば、昨日まで見えなかったものが見えることもある。

そして気づいたら、美術を見に来たはずなのに、

自分の生き方まで少し考えている。

これが美術館の面白さなのかもしれません。

久々の夫婦時間。

うまい洋食。

知らない世界。

そして青りんご。

心も胃袋も、かなり整いました。

また行こう。

次に「好きな芸術家は?」と聞かれたときは、

今度こそ一人くらい答えられるようになっておきます。

それでは、にんにん。

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