どーも、Hideicです。
まず正直に言います。
このタイトル、普段の自分ならたぶん自分からは選ばないタイプでした。
「世界のエリート」
「美意識」
……なんかこう、意識高そう。
いや、めちゃくちゃ高そう。
でも、だからこそ逆に思ったんです。
自分があまり手に取らない本にこそ、今の自分に足りない何かがあるんじゃないか? と。
そんな気持ちで手に取ったのが、山口周さんの
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
です。
読み始めてみると、これがもう、思っていた以上に腑に落ちることだらけ。
そして読み終わるころには、私は本気で近場の美術館を検索していました。
我ながら影響されやすすぎる。でも、これはいい影響です。
この本の大きな軸になっているのが、**「真・善・美」**という考え方です。
ざっくり言えば、単に「正しいか」「役に立つか」だけでなく、それは本当に美しいのか、自分の内側から見て納得できるのかという感覚を持つことの大切さが語られています。
ここが、この本のいちばん面白いところでした。
企業に勤めていると、どうしても「社内で正しいこと」が“善”になりがちです。
ルールを守る。上司の意向に従う。数字を達成する。空気を読む。
もちろんそれ自体が悪いわけではありません。
でも、行き過ぎるとどうなるか。
世の中には、「まさかあの大企業が?」と思うような不祥事のニュースがありますよね。
データ改ざん、検査不正、説明のごまかし。
ああいうのって、外から見ると「なんでそんなことを?」と思うのですが、この本を読むと少しわかる気がするんです。
つまり、その組織の中では、
“出世のため”“業績のため”“組織の期待に応えるため”が正義になってしまう。
そして、そこに「それって美しくないよね」「人として嫌じゃない?」と立ち止まる感覚が弱いと、人は意外と危うい方向へ進んでしまう。
なるほどな、と。
この本でいう「美意識」は、単にセンスがいいとか、おしゃれとか、芸術に詳しいとか、そういう話ではありません。
論理や損得だけでは判断できないときに、自分の内側にある“これは違う”を感じ取る力なんですよね。
これって、今の時代、むしろますます大事になっていると思いました。
たとえば生成AI。
めちゃくちゃ便利で、これからの社会を大きく変える存在です。
でも同時に、倫理観や人間観が問われる領域でもあります。
「できるからやる」のか、
「やっていいのかを問う」のか。
この差って、最後はやっぱり美意識に近いものなんじゃないかと感じました。
また、日本企業が近年なかなか世界で存在感を出しにくくなっていることについても、この本の視点はかなり刺さりました。
真面目に、丁寧に、顧客に受けそうなものをつくる。
それは日本の強みでもあるけれど、短期的な最適化ばかりに寄ると、どうしてもコモディティ化しやすい。
差別化が難しくなり、気づけば「無難だけど突き抜けない」に着地してしまう。
これ、身の回りの会社や取引先を見ていても、「ああ、わかるな……」と思わされる部分がありました。
その対極の例として思い浮かぶのが、やっぱりAppleです。
iPhoneって、単なる便利な道具以上の立ち位置を築いていますよね。
あれはスペック競争だけではなく、“こうあるべきだ”という強烈な美意識があったからこそだと思います。
スティーブ・ジョブズの言葉や振る舞いからも、その感覚はにじみ出ていました。
そしてこの本は、美意識を鍛えるには、美術だけ見ればいいという単純な話でもないと教えてくれます。
哲学を学ぶことも重要なんです。
今では「それは違う」と思える考え方でも、当時はなぜそれが支持されていたのか。
どんな前提があり、どんな問いがあり、どう乗り越えられてきたのか。
そのプロセスを知ることで、今の常識すら「本当にそうか?」と問い直せるようになる。
これはかなり大きい。
組織で働いていると、どうしてもその場の文化に飲まれます。
でも、哲学と美術、そして美意識を育てていくことで、
「会社ではこうなっているけど、自分としては違和感がある」
という感覚を持ち続けられる。
そして、ただ逆らうのではなく、長期的に正しい方向へ舵を切る力につながる。
そんなことを考えさせられました。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は、
意識高い人のための飾りみたいな本ではありません。
むしろ逆で、論理と正解だけでは危ない時代に、自分の軸を守るための本だと思いました。
美術や哲学なんて、自分にはちょっと遠いかな。
そう思っている人にこそ、意外と刺さる一冊かもしれません。
私もまずは、近くの美術館に行くところから始めてみようと思います。
皆さんもぜひ、この本を手に取って、一緒に美意識を鍛えていきましょう。
それでは、にんにん。

コメント