きっとあなたも一度は悩む「人間関係」――
その“本質”を教えてくれる一冊に出会いました。
それが、D・カーネギー著『人を動かす』。
前回ご紹介した「人は話し方が9割」(永松茂久)で“すぐ使えるコミュ力テク”を学んだものの、どこか「もっと根っこから変わるためのヒント」がほしい…と感じていた自分。そんな時に手に取ったこの本は、人生の底力になる“人付き合いの教科書”でした。
たった一度で吸収しきれない!カーネギーの30原則
「人を動かす」のすごいところは、ただのテクニック本ではなく**“心のあり方”をガツン!と叩き込んでくれる点です。
一度読んだだけじゃ絶対に身につかない深さ。なぜなら、実に30もの原則が詰まっていて、その一つひとつが一生をかけて磨くべき「人間力」そのもの**だから。
【三原則・六原則・十二原則・九原則】と、まるで「人間関係の虎の巻」。
それぞれに、カーネギーのリアルな体験談や成功者の実例が添えられています。
読めば読むほど「人間って、結局“心で動く”んだな」と腑に落ちるし、
「自分のクセや課題もここに全部書いてある!」と膝を打つこと間違いなし。
印象に残った「人を説得する十二原則」とその壁
正直、どの原則も胸に刺さりましたが…
特に「人を説得する十二原則」は自分の課題そのもの!
たとえば…
- 誤りを指摘しない
- 誤りを認める
- 議論を避ける
- 思いつかせる
- 美しい心情に呼びかける
どれも一見当たり前のようですが、日常生活や職場で実践するのはとても難しい。
「相手の間違いに気づいたら、つい指摘したくなる自分」や、「自分の非をなかなか認められないプライドの高さ」に気づかされ、
“本当の意味で人と向き合う”ことのハードルの高さを感じました。
たとえば、「相手の間違いをどうしても指摘したくなる」場面。
こんな時、私が思い出すのはアメリカ大統領リンカーンの有名なエピソードです。
南北戦争の激戦下、リンカーンは将軍ミードがチャンスを逃したことで激しく怒り、感情をぶつける手紙をしたためました。
しかし、その手紙は決して相手に送られることはありませんでした。
リンカーンは思いの丈をぶつけたその手紙を「引き出しにしまい」、冷静になった後で気持ちを整理し直したのです。
このエピソードが示すのは、「感情的になったときは一度立ち止まり、相手にぶつけずにおく賢さ」。
まさに「誤りを指摘しない」「議論を避ける」というカーネギーの原則そのものだと思います。
“怒りの手紙を出さずにしまう勇気”が、長い目で見て人間関係や組織の成功を導いたのだと私は感じています。
どうやって実生活で活かす?まずは「1日1原則」から
カーネギーの教えを一気に完璧にするのは無理!
そこで私が実践しているのは、**「1日1原則だけ意識してみる」**という方法。
朝、その日の目標として「今日は“聞き手にまわる”を徹底しよう」などと決めておく。
そして帰宅後、どんな会話で実践できたか・失敗したかをノートにメモ。
【例えば…】
・今日は部下の話を最後まで口を挟まずに聞いた
・相手の名前を意識して使うようにした
・何か頼みたい時はまず相手の“良いところ”を褒めてみた
こうやって少しずつ実践していくと、「あ、今までよりも相手の表情が和らいだな」とか「会話が前より弾む!」などの変化が感じられるように。
「人を動かす」の教えは、“人生のどこでも使える万能ツール”
- 職場の上司・部下・同僚との関係
- 家族やパートナーとの絆づくり
- 友人との信頼関係
- 初対面の人との距離の縮め方
どんな場面でも「人を動かす」の原則は効果絶大です。
なにより**「相手の心を動かす」=「自分の心も変わる」**という体験ができるのが最大の魅力!
まとめ:「張り紙にして貼りたい“生きる知恵”」
この本の原則を自分の部屋や手帳に書き出して、毎日眺めるのもおすすめ。
最初は難しくても、少しずつでも「カーネギー脳」になれば、
どんな人付き合いもきっと“やさしく・強く・しなやか”になれるはず!
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