「主体的であれ」──そう聞くと、積極的に行動すること?ガツガツ前に出ること?
…実は違います。
スティーブン・R・コヴィー博士が『7つの習慣』で伝えた「主体的である」とは、自分の感情や外部要因に振り回されず、自分で反応を選ぶこと。
言い換えると、「環境や他人のせいにする人生」から「自分の選択で人生をつくる人生」へシフトすることです。
影響の輪と関心の輪
コヴィー博士はこれを「関心の輪」と「影響の輪」で説明します。
- 関心の輪:自分では変えられないこと(天気、過去、他人の性格)
- 影響の輪:自分の行動や言葉で変えられること(態度、努力、考え方)
主体的な人は、関心の輪ではなく、影響の輪にエネルギーを注ぎます。
たとえば「今日は雨だから気分が下がる…」と考えるのは関心の輪。でも「雨でもできる楽しみを見つけよう!」と考えるのは影響の輪です。
感情を選ぶ「人間だけの特権」
人間には「刺激」と「反応」の間にワンクッション置く能力があります。
- 自覚
- 想像力
- 良心
- 意志
この4つの力で、私たちは「反応を選ぶ」ことができるのです。
正直に言うと、私はよく妻と家事や子育てで口論になりがちです。「料理のやり方が違う」「掃除の仕方が気に入らない」…。そんなとき、感情のまま反射的に反論してしまうのは“反応的”な生き方。
でも「どうしたらお互いに気持ちよくなるか?」と考えて発言できれば、それは“主体的”な選択です。小さな積み重ねが人格をつくり、関係を育てていくんですよね。
「持つ」ではなく「ある」
もう一つ大切なのは、“持つ”ではなく“ある”という意識。
「もっと忍耐強い妻を“持っていたら”いいのに」と考えるのは関心の輪。
「私はもっと忍耐強く“ある”ぞ」と考えるのは影響の輪。
主体的な人は「自分が変わる」ことにフォーカスします。これが『7つの習慣』で強調される「インサイド・アウト」のパラダイム。相手を変えようとする前に、まずは自分の内面を磨くのです。
私は「最高の夫になる」「無条件で妻を愛する」「支える夫である」と決めています。子育てでぶつかるからこそ、このマインドを忘れずに実践したい。
30日間テスト──影響の輪だけで生きてみる
コヴィー博士は「30日間テスト」を提案しています。
30日間、自分がコントロールできること=影響の輪にだけ集中して行動する。
- 文句を言う代わりに、自分ができる改善を試す
- 他人を責める代わりに、自分の態度を整える
- 過去を嘆く代わりに、今日の選択にベストを尽くす
この習慣を身につけると、驚くほど人生の感覚が変わってきます。
主体的な人の3つの行動
- 自分との約束を守る
→ 小さな約束を守り続けることで自己信頼が育つ。 - 過ちをすぐに認める
→ 間違えたら素直に「ごめん」と言う。それだけで人間関係は強くなる。 - 目標に向かって努力を続ける
→ 小さな積み重ねがやがて大きな成果になる。
まとめ──反応は自分で選べる
「主体的である」とは、ただ前向きに頑張ることではありません。
“自分の反応を選ぶ”ことこそが、人生をコントロールする第一歩なのです。
次回は「第2の習慣:終わりを思い描くことから始める」。
ここで人生のゴールをどう描くかを考えていきます。
あなたは、どんな反応を選びますか?
それが、あなたの未来を決めます。
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